６日、東アジア女子サッカー選手権2010決勝大会開幕試合に続き、東アジアサッカー選手権2010決勝大会の開幕試合、日本代表対中国代表が行われた。初優勝を目指すホスト国・日本が2005年決勝大会優勝の中国を迎え撃った一戦は０-０の引き分け。勝ち点１を分け合った。

今年６月に行われるFIFAワールドカップ南アフリカ大会出場を控え、国際サッカー連盟ランキングも今大会出場チームの中で最上位(40位)に位置している日本から同87位の中国が勝ち点１をもぎ取った。FW大久保嘉人(OKUBO Yoshito)、FW岡崎慎司(OKAZAKI Shinji)、FW玉田圭司(TAMADA Keiji)の３トップを導入した日本に対し、中国はFW郜林(GAO Lin)を1トップに配置した４－２－３－１システムで試合をスタート。試合は序盤からボールを支配する日本が流動的な動きから、相手サイドバック後方のスペースを突いて決定機を作り出す。19分にはMF中村憲剛(NAKAMURA Kengo)が右サイドから出したスルーパスに岡崎が反応。ゴールライン際で追いついた岡崎からの折り返しに玉田が飛び込む。さらに43分にも右サイドを突破した岡崎のラストパスに中村が合わせた。

中国は、昨年のAFC年間最優秀選手のMF遠藤保仁(ENDO Yasuhito)擁する日本の中盤の前に劣勢だった。だが高洪波(GAO Hongbo)監督が「日本のアドバンテージはミッドフィールドの部分で、日本はアジアでも目立つ中盤を持っていると思う。(きょうも)日本のMFは全体をコントロールするということで力を発揮していた。だが中国はペナルティエリアの中で優れたアドバンテージを発揮できた」と振り返ったように、中国は中盤で苦戦しながらも自陣ゴール前で健闘。平均身長184.5cmの最終ラインが最後の局面でボールを跳ね返し、得点を許さない。
中国の“抵抗”は守備だけではなかった。攻撃面でも前線で力強いプレーを見せる郜林を起点としたカウンターから相手ゴールを脅かした。MF姜寧(JIANG Ning )が鋭い仕掛けでFKを獲得したほか、32分には右クロスのこぼれ球にフリーで走りこんだDF栄昊(RONG Hao)が豪快な左足シュート。平均身長で相手を約５cm上回る利点を生かす中国はボール際での攻防戦でも日本に引けを取らず、“敵地”へ駆けつけたサポーターを再三沸かせていた。

迎えた後半の立ち上がりは両チームが互いに撃ち合う展開に。日本は９分、MF稲本潤一(INAMOTO Junichi)の絶妙なフィードから右サイドを切れ込んだDF内田篤人(UCHIDA Atsuto)がゴール左ポスト直撃の右足シュート。対する中国は右サイドを駆け上がったDF張琳芃(ZHANG Linpeng)が切り返しから左足シュートへ持ち込み、10分には左サイドを突いたMF于海(YU Hai )のラストパスが相手のオウンゴールを誘いかけた。地元の観衆の声援に応えたい日本は17分に190cmの大型FW平山相太(HIRAYAMA Sota)を投入。センターバックの田中マルクス闘莉王(TANAKA Marcus Tulio)も思い切って前線へ駆け上がるなど、過去５年間４勝２分と相性の良い中国ゴールを強引にこじ開けようとする。だが、ゴール前に189cmDF杜威(DU Wei)を中心とした高き砦を築く中国DF陣は簡単には崩れない。

逆に試合終盤の37分、中国は相手ハンドでPKを獲得し絶好の得点チャンスを得る。ただ、MF楊昊(YANG Hao )の右足シュートは、右へ跳んだ日本GK楢崎正剛(NARAZAKI Seigo)によって完璧に止められてスコアを動かすことができない。日本も39分、平山が頭で出した丁寧なラストパスから大久保が左足を振りぬくが、これも相手DFに阻まれ１点を奪えず。日本の岡田武史(OKADA Takeshi)監督が「(日本が中国に)DFラインを破られる場面はなかった。また攻撃でも決定的なチャンスをつくっていた。(ただ)結果としても内容としてもまだやらなければならない。満足していることはない」と評した男子開幕カードはスコアレスドローで90分間を終えた。

＜写真＞中国代表の杜威(左)、日本代表の中澤佑二(中央)の両国主将がセットプレーで競り合う