


チャイニーズ・タイペイの首都・台北。4月上旬午後、雨。
「雨が降るから練習は中止?」
代表チーム初の外国人コーチ、旧ユーゴ出身のドラガンがサッカー協会オフィスで、頭を抱えてソファに沈む。
本当の原因は、代表に選出されている大学生の多くが講義やテスト、社会奉仕の仕事などの関係で、突然、練習に参加できなくなったからだ。全選手がアマチュアのチャイニーズ・タイペイでは、仕事や学校の関係で代表チーム練習を計画通りに進めるのは、簡単ではない。
「ここのサッカーは“ゼ・ロ”」
ドラガンは、代表選手たちにタックル等、基本から指導しなければならない。
チャイニーズ・タイペイの少年年たちは、学校の課外授業でサッカーをする。しかし学歴重視の地域ゆえ、両親、特に母親は子供たちがスポーツに没頭することを嫌がり、勉強させようとする。サッカー協会秘書長、張展維は「これがチャイニーズ・タイペイサッカーの発展を妨げる最大の原因だ」という。
もっとも、紙幣に野球の選手たちが勝利に歓喜する絵を描いて印刷するほど、チャイニーズ・タイペイでは野球の人気が高い。ひとつのボールで多人数が遊べるサッカー以上に、狭い面積で即興ゲームが手軽にできるバスケットボールも盛んに行われている。
サッカーの地位を向上させるため、文部省を通じて学校サッカーを促進するように、チャイニーズ・タイペイサッカー協会は政府に働きかけている。現サッカー協会会長とチャイニーズ・タイペイ総統は私的な付き合いがあるという。しかし、以前チャイニーズ・タイペイリーグに参加していた軍隊のクラブを撤退させたのは、現総統だ。
チャイニーズ・タイペイサッカーは、お金が政府から降ってくるのを待っている。


※『東アジアサッカー選手権2003 決勝大会公式ガイドブック ニューエディション』より